【製造業】マーケティング/販売促進におけるジョブ理論の重要性
最終更新: 2020年7月6日
マーケティングなどを考えるうえで「ジョブ理論」の理解が重要だと言われています。リンクインサイトが提供するサービスも、ある意味ジョブ理論の踏まえたサービスになっています。その関係性について解説します。
ジョブ理論とは
簡単にいえば、人や企業がなぜそのサービスや商品を利用/購入する背景に潜むメカニズムを説明する理論です。このメカニズムを明確に言語化することで、顧客がどのような製品を欲しているのか、そして自社がどのような製品を開発すればよいかが見えてきます。「ジョブ」は顧客がそのプロダクトやサービスを利用して達成したい「目的」とも言い換えられます。
ジョブ理論の例:ミルクシェイク
具体例をひとつ紹介します。有名な話ではありますが、分かりやすいのは「ミルクシェイクがなぜ朝売れるか」という内容です。元々は、ミルクシェイクがより売れるよう味や量、種類や値段などの観点から様々な改善策を講じていましたが、なかなか伸びませんでした。そこで、来店したお客さんがどのような動機でミルクシェイクを求めに来ているかを観察・調査しました。アメリカでの話ですが、インタビューも含め実施した結果、車社会における通勤時のお供としてミルクシェイクが「雇用」されているという事実が見えてきました。どういうことかといえば、長時間の運転が当たり前のなかで、会社までの退屈な道のりを通してお腹を満たしてくれるのが「ミルクシェイク」だったのです。「朝食」としては人気のある「バナナ」では、すぐに食べ終わって途中でまたお腹が空いてしまいます。あるいは、チョコレートなどの軽食は朝から摂取するには味が甘く、目的にマッチしません。そこで、ある程度味が濃くて短時間では飲み切れず、しかも車のドリンクホルダーにもいい具合にはまる「ミルクシェイク」が朝の車通勤の「ジョブ」を満たしてくれる存在として売れているという話です。
これらの調査結果から、ミルクシェイクの味を濃くして飲み切るのにかかる時間を長くしたり、忙しい朝の時間帯においてお店でセルフで注文から受け取りまでできるようにしてミルクシェイクを手に入れるまでかかる時間を短縮したりすることで、さらに売上が伸びたとのことです。
ここでのポイントは、顧客がミルクシェイク「雇用」する理由を解明し、そのジョブをより満たすように商品やサービスの改善を行っている点です。この時の競合は、他社のミルクシェイクなどではなく、たとえばバナナやベーグルなど顧客が朝食候補として思い浮かべるものです。
顧客のジョブとの「接点」を探す
少し説明が長くなりましたが、製造業においても上記の事例は参考になる部分が多いのではないでしょうか。製品開発にももちろん当てはまりますし、マーケティング・販売促進においては製品のスペックを押し出すのではなく、顧客の「ジョブ」は何なのかを突き止め、その切り口からマーケティングメッセージやセールストーク、あるいは顧客導線を設計することで、さらに売上を伸ばせる可能性があるということです。
「ジョブ」を起点に顧客の認知・興味を獲得する「How it works 2D」
リンクインサイトが提供するサービス「How it works 2D」は製造業のお客様から見た顧客の「ジョブ」、つまりその製品を使用したい用途やシーンを起点に、バーチャル上でそのデモンストレーションを行えるサービスです。顧客がその製品を使いたいシーンと解決したい課題などから逆引きして自社製品とのつながりを可視化し、その機能性やスペックをアピールするための下地を作るサービスと言い換えることもできます。モックアップをお見せしながらのデモンストレーションも行っているので、お気軽にお問い合わせください。 https://www.howitworks2d.net/
カスタマーサクセス/山根